「美しく分かりやすく」の実践見本、スタッフ総出で株式會社月星製作所永井工場様へ工場見学会(後編)

工場内をまっすぐ突き抜けるアーケード。これがすでに「働きやすさ」のための工夫

(R.M)

前編の続きです。

見学効率のため、二手に分かれた当社スタッフ。回る順番に違いはありますが、双方のグループがエレベーターを降りた先、

月星製作所様の新工場の美しさに勝るとも劣らない佇まいで設置された当社オリジナル製品、カーテンシャッター「アペリア」を横目に進んだところは、工場内をまっすぐ突き抜けるアーケード。

実はこれも、月星製作所様の工夫で、工場内の製品循環を円滑にするために、運送トラックの通行も考慮したものとのこと。

以前は、搬入経路も入口も方向がまちまちで、それで工程に時間を取られていたことが、従業員間の調査で分かったものですから、こうやって、工場内に一本の道を作り、搬入経路が工程順序と合致したものとなり、「働きやすく」なる工夫がされています。

アーケードにされた理由は、商品を雨などから守るため。それでなくても通路は、人、自転車、フォークリフトで区切ってあるので安全を確保してあるというのに、運送トラックからの積み下ろしも考慮した、その発想が凄いと思います。

そしてお待たせしました。ここからが月星製作所様の、工場内の様子のご紹介となります。

周囲360度、視界に入るすべてが最高のお手本

工場内に入りますと、まず飛び込んでくるのがこのように、一目で「整然」としていることが理解できることです。

これはどこの作業区画に行っても同じことが言えました。

「何の製品がどこにあるか」の詳細となると、従業員の方でないと分からないのは仕方ないとしても、同種、同色、同じ高さに積み上がった製品のすべてが、同じ方向のパレットまたは荷台に乗せられており、これであれば次の作業工程への移動もスムーズに行えるであろうことが誰の目で見ても明らかになっています。

もちろんそれだけでなく、各工場の床の位置決めラインとラミネートの見える化が凄くて、

各機材や商品の置き場に対するバミリとワイヤーを空中に飛ばして何が何処に置いてあるのかについて、こちらの工場で作業されている方であれば一目瞭然で分かるように、ということが、とても徹底されていました。

こういった工場内の機械や物のラミネート表示は、細部まで全てに書かれていて分かりやすく見習いたいところです。

また、作業場の全部が全部というわけではありませんが、

こちらの作業場では、静かめのクラシックっぽい音楽が流れてました。

こちらでは細かい作業(検査等)をしていることから、根詰めた作業に対して、作業場にBGMをかけての緊張感をほぐすための環境づくりで、これも従業員の方の発想だったそうですが、当初は、なかなか受け入れてもらえなかったとのことでした。しかし、それでもかけ続けた結果、作業効率が上がったことが数字として表れたことで、今では好評を得ているとか。

これも「働きやすさ」のための環境改善と言えるのではないでしょうか。ちなみに「歌」は逆に気が散って良くないそうです。

まだまだ工場見学は続きます。

こちらの工場では、製品紹介はもちろん、上部につけられた空調設備に注目が集まりました。

環境改善は「5S」と「働きやすさ」によって成り立っていると言っても過言ではないので、この設備も「働きやすさ」のための設備です。

しかも、工場内全域の空調設備が設置されているとのことで、何処に行っても快適な温度に保たれていたことに感動したほどです。

快適な温度は作業している人の体への負担が軽減されている、ということですからね。

こちらの掲示板の説明は工程や作業リストなどです。

こちらには表示されていませんが、至る所に、緊急事態対応ボックスが置いてありました。それを見て、中身を変えればどこの作業場でも真似できると思うので良いアイデアに思えました。

しかし、今回の工場見学で、これが環境改善の「働きやすさ」として、一番学ぶべきところだと感じたのは、月星製作所様では、「環境改善のためのツール」を会社に求めるだけでなく、従業員自らが考案し、手作りで工具を作って、活用しているところでした。

例えば、こちらの部材を入れた箱を乗せたレール。

部材や製品が詰まった箱は一つ一つがそれだけでも重いもので、それを人力で運ぼうと無理をすれば体を痛めてしまうところを、仕上り部品入ケースをローラー上に設置する際にペダルを付けて、パレットに何段も積んだ物を手動運搬車で簡単に運べるように工夫されていました。

ペダルを踏んで簡単に300㎏の箱を持ち上げることが出来るのを見て、当社でも、テント生地の反物を運ぶ時などに、応用出来たらと思えるほどです。

また別のこちらの工具。

一見、何をするためのものなのか、正直想像付かなかったのですが、答えはこちら。

ラップをかけての製品梱包です。

こちらの最大の特徴はラップを巻く際、商品の周りを自分が回るのではなく、工具によって、自分の動きは最小に、しかし、これまで以上にしっかりラップを巻けるよう工夫したものです。

自分で巻く、ということは、高さを考えると中腰で作業することになり、こちらも体への負担が大きいことから、作業効率を上げるための工夫で作られたものだとか。

必要な設備・工具をDIY、という手作りで、環境改善していることは、とても参考になりました。当社もモノづくりの企業なのですからできないことはないと思えます。

さて、ここまでは月星製作所様工場見学において、主に5Sの要素の内の「整理、整頓」と働きやすさについてのご紹介をさせていただきました。

しかしもちろん、今回の工場見学では、綺麗を保つための5Sの要素である「清掃、清潔」も参考にさせていただいています。

工場見学、最終ステージは、「清掃、清潔」のための、「掃除用具置き場」についてです。

綺麗に「整理、整頓」されているからこそ生まれる「清掃、清潔」。その逆もまた然り

5Sの大元はやはり「掃除」。

その掃除のための、「掃除用具」もまた、綺麗に整理整頓されて置いてありました。

当社社長の掃除に対する金言でもある「綺麗な掃除用具を使用しないと、掃除したとは言えない」を実践されている月星製作所様には、ただただ感服するしかありません。

もちろん、掃除道具だけでなく、汚れを落とす洗剤にも一切の妥協はないそうで、工場床清掃に使用する際は、どんな洗剤を使っているのかを教えて頂きました。

製造業である以上、床の汚れはどうしても避けて通れないもので、にもかかわらず、ずっと言ってきたように、月星製作所様の工場床は照り返すほど奇麗なので、それを参考にしたい、と考えてしまうのは当然と言えます。

また、掃除用具のみならず、手作業用の工具も、物理的に綺麗にしてあり、それが整理整頓されているところを見ると、使用する人は、汚してはいけない、と感じているでしょうし、仮に汚したとしても「洗って元の場所に戻さなければ」という意識が働くことでしょう。

こちらもその一例かと思います。

不特定多数の方が使われる共同作業場だからこそ、次に使う人のことを考えて、という意識です。

でも、これこそが5Sの基本中の基本の考え方なのではないでしょうか。

しかし、それでもまだ足りないのか、月星製作所様では、工場全フロアの汚れを定期的に全員でI時間程かけて、清掃する、との話をお聞きしました。

5Sに対する意識の高さを感じます。

とは言え、それは本当に「意識の高さ」なのか、と問われると、少々違う気がします。実はそれは、「当たり前の意識」なのではないでしょうか。

「当たり前」だからこそ、常に綺麗である状態を保っている、と言えるのではないでしょうか。

工場視察を終えて今回学んだことを、今後、当社に取り入れるために

一通り、工場見学を終えて、再び、当社全スタッフは、最初に事前説明を受けたカフェテラスに戻ってきました。

この後、月星製作所様ではどうやって5Sの意識付けをしてきたのか、そして、それをどうやって、継続させるのか、と言った説明と質疑応答の時間だったのですが、その時間までには少し間がありまして、そこで、もう一つの従業員のための「働きやすさ」のための心のリラックス場を教えていただきました。

幅の都合で縦撮りになっていますが、先に紹介したカフェテラスやフリーオフィスを一歩「外」に出た先には散歩スペースが。

こちらで、ゆっくりお散歩、というのは確かに気分転換にちょうど良いことでしょう。

さて、それでは、工場見学ラストの説明と質疑応答に戻りまして。

先ほども言いました通り、月星製作所様では、どうやって従業員の方々に5Sの意識付けをしたのか。

これは、質疑応答で当社からの質問にも出たことでした。

それは明確な目標『「平凡な現場」から「非凡な現場」』を立てて、しかし、やることはできそうなことからステップアップさせていく形の意識改革でした。

もちろん、それはなかなか簡単ではありませんが、意識改革をイラスト化することにより、明確に意図を伝えることはできたと思われるとのこと。

さらに言えば、会社側も従業員の方々だけに任せるのではなく、必要とあらば、投資を惜しまない姿勢を見せたことにより、工場全体の仕事環境が、従業員の方々の要望に応えたと思われるウォーターサーバーがあったり、リフレッシュできる空間があったり、と常に社員を思いやった設計、レイアウトになったことで。

そんな会社の心意気に呼応するが如く、従業員の方々も強く意識していることが分かるほど、オフィス、工場含め全ての場所で床に物が置いてあることはなく、整理整頓されていました。

真剣な思いは通じる、それを実践されているように思え、推進者(指揮する人)の重要性を感じました。

それと同時に、作業員お一人お一人が、自ら会社の課題を解決しようとする意欲に感銘をうけました。

しかも、月星製作所「永井工場」様曰く、月星製作所「根上工場」様はもっと意識していますよ、ということで、しかも、指揮官が女性スタッフの方ということで、女性ならではの発想力や繊細さに興味が湧き、今度は月星製作所「根上工場」様への工場見学のお約束をさせていただきましたので、見学させていただいたときにはまた、ご紹介させていただきます。

 

 

末文ではございますが、当日、当社の工場見学をご了承いただいた代表取締役・打本捗様、当社の工場見学にご尽力いただいた方、立ち会っていただいた上役の方、ご案内いただいたもう一人の方、そして、工場内各作業場にて気持ちいい笑顔でご対応いただいたすべての株式會社月星製作所永井工場の従業員の方々に、心より感謝申し上げます。

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